8年後も住みやすい藤沢市であるために〜藤沢市議会アプローチ、ただいま進行中
NPO法人気候危機対策ネットワークのメンバーで環境活動家、藤法さんからのレポートです。
本当に住みやすい街はどんな街か?気候変動の影響を受ける今、改めて考えたい
2021年2月に「藤沢市気候非常事態宣言」が表明され、藤沢市は2050年カーボンニュートラルへ向けて脱炭素への道のりを歩み始めました。
「藤沢市環境基本計画」「藤沢市地球温暖化対策実行計画」の改定を本来よりも1年前倒しして開始し、2022年2月に改定内容が確定したところです。
私は藤沢市の環境審議会市民委員としてこの改定に関わっていました。気候危機を不安に感じ、止めたいと思う一人の市民として思い付く意見を伝え、大部分の意見は計画に反映、真摯に対応して頂きましたが、実効的で具体的な施策を計画内に含めていくことには困難を感じました。予算の都合、担当部署との兼ね合い…現実的な様々な原因があるかと思います。
しかし残念なことに、気候危機は喫緊の課題であり、IPCC第6次報告書でも報告されているように、2025年までにCO2を減少に転じ、2030年までに大幅に削減していかなければパリ協定の「1.5℃目標」の実現はできません。必要なのは温室効果ガス削減に確実につながる実効的な取り組みなのです。
藤沢市の気候危機対策の取り組みを市民がより早急に推進するためにはどうすればいいか。そこで思い付いたのが「藤沢市議会にアプローチをしていくこと」でした。実際に議員さんに気候危機の話をお伝えし、現状を知っていただくこと。そして市政の運営に「気候危機対策」を大きく取り入れていただくこと。また、この活動を通じて多くの市民の方に気候危機の喫緊性が伝わってほしい。
誰か一緒にこの活動を進めていきませんか?その呼びかけに、NPO法人気候危機対策ネットワークの環境活動家の仲間がすぐに賛同し、応えてくれました。
メンバー皆で話し合いをした結果、陳情内容は「藤沢市に脱炭素先行地域を設定を求める陳情」に決めました。
脱炭素先行地域とは、環境省が今力を入れて推進しており、脱炭素成功事例となる地域を2030年までに100地域生み出すというものです。その選定要件の一つとして、「2030年度までに、脱炭素先行地域内の民生部門(家庭部門及び業務その他部門) の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを実現すること」などがあげられます。
私たちは藤沢市にもそんな「本当に住みたくなる」地域を作ってほしいと思います。地域の電力は地域で創出され、温室効果ガスを排出しない街。食べ物も地域循環、自然と共生していることを実感できる街。
これから、子どもも大人も長く住み続けたい街って改めてどんな所なのか?と考えるきっかけにもしてもらいたい、と私たちのチーム名を「8年後も本当に住みやすい街大賞1位とるぞ藤沢プロジェクト」と名付けました。8年後は2030年です。何で8年後?という疑問を多くの方に抱いていただきたい。
先日27日には藤沢市環境総務課の方と意見交換をさせていただきました。この貴重な機会に、私たちがなぜ気候危機に対して関心を強く持ったのか、活動を始めているのかなど、それぞれの想いを伝えました。個々が強く抱いている問題意識から、プラスチック削減の取り組みに関して、農業に関して、教育に関して…質問や意見を伝え、改めて、気候変動は様々な分野と大きく関わっていることを実感しました。取り組みを進めてくださっている環境総務課だけではなく、今後藤沢市の全ての課が当然のように気候危機を踏まえた取り組みを進めてほしい。
まずはお互いを知ること、ここが私たちのスタート地点です。
これから藤沢市議会議員の方々とお会いし、陳情内容を説明すると共に、なぜ「8年後」なのか、気候危機の現状をお伝えしていきます。
私たちの行動が何にどのように繋がっていくのかはまだわかりません。でも既に今、一緒に行動できる仲間がいて、ひとりひとりの行動やアイデアが形になっているこの瞬間が、前へ前へと私たちを後押ししてくれています。知識がない部分は知識を持つ他の誰かが教えてくれ、発想力豊かなメンバー、方針を提案してくれるメンバー…誰一人欠けても、この形にはなっておらず、一人ではなく、仲間で活動することの広がりや素晴らしさを今感じています。
グレタさんは気候危機を解決するためには、「行動することが希望」と言いました。
その希望を形にしていくことを目標に、これからの活動も随時報告させていただきます。
ひとりひとりの市民の力を、多くの方に応援して頂けたら嬉しいです。